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ちほうとしからTSF

岡山県のTSF好きのブログ

【漫画】大今良時「聲の形」 ちゃんと見る、ちゃんと聞く

 【漫画】「聲の形」全7巻

 作:大今良時

 出版社:講談社

 レーベル:少年マガジンKC 

 

「ちゃんと見る、ちゃんと聞く」は、公式ファンブックのインタビューの副題から。

 

 TSF要素はありません。

 

映画『聲の形』DVD

 

 去年の9月に映画も公開された作品です。

 試写会を引き当て、岡山県最速で見に行きました。実に2年ぶりの映画。

 なぜ硝子だけカメラ目線? どんな意図でこの構図にしたんですかね~

 

 ◆ストーリーと感想

 主人公・石田将也が小学生の頃、クラスに西宮硝子が転入してくる。硝子は「耳の聞こえない少女」だった。将也は興味から硝子をからかうが、次第にいじめへとエスカレートしていく。いじめが問題になり、硝子はまた転校していくが、主犯とされた将也が次のいじめの標的となる。

 高校生になった将也は、孤立した経験と、原因となった「硝子へのいじめ」の罪悪感から、自殺を決意する。死ぬ前に謝罪をしようと考えた将也は、硝子の元へと向かい、小学生以来の再開を果たすのだった。

 というのが1巻。

 

 本番は2巻からですが、1巻も相当に濃い内容。

 将也から硝子へのいじめも読んでいて辛いですが、いじめに加担していた友人たちの手のひら返しも相当キツイ。

 私は書店POPに釣られて1巻を購入しましたが、その夜は続きが気になって眠れませんでした。この漫画のおかげで、翌週号から連載終了まで、欠かさず週刊少年マガジンを買うようになりました。販促効果バツグン!

 

 2巻からは、将也と硝子の交流がスタート。将也の「自殺」の決意は、硝子への「贖罪」という新たな決意になります。自分が奪った硝子の小学生時代のために、とにかく何かをしたい。そうやって行動するうちに、将也のまわりには人々が集まりはじめ、登場人物それぞれが、過去・現在と向き合いながら、物語が進んでいきます。

 連載で追っていたんですが、展開によってその週のモチベーションが左右されるほど入れ込んでいました。嫌な終わり方をした週は、冗談じゃなく夜眠れなくなりました。展開の盛り上げ方と落とし方がうまい。

 

 映画版は、時間の都合もあり、エピソードが削られている箇所も多かったです。そのおかげで、特に真柴君の印象は漫画版と違いました。お前そんな奴だっけ、と困惑。効果音の使い方がすごく丁寧でした。将也と硝子の世界では聞こえ方が違うこと、当然なんですけど、映画だと漫画よりも伝わりやすいですね。

 

 ◆「感動ポルノ」批判について

 「聲の形」を、いじめの加害者と被害者・障害者の恋愛を描いた感動ポルノだ、という意見があります。確かに題材としていじめ・障害を扱っているので、「感動ポルノ」の印象も間違いとはいえませんが。

 でも、ファンブックの大今さんインタビューで言及されていますが、いじめ・障害はこの作品の主題ではないです。大今さんは「コミュニケーション」だと述べています。登場人物は各々が人間関係の悩みを抱えています。そのきっかけがいじめ・障害でしたが、物語の核心はコミュニケーション、つまり「どうすれば理解できるか・されるか」です。

 「いじめ加害者と被害者・障害者の恋愛」という型にはめた作品ではないでしょう。いじめ・障害を背景に持つ石田将也西宮硝子の2人、そして関わる人々が「理解する・されるためにもがく」作品で、感動ポルノではないと断言できます。

 

 思い入れの強い作品なので、「感動ポルノ」批判で敬遠して欲しくないです!

 以上、私見でありました。

 

 公式ファンブックはいいですよ~。読み切り版が2本(新人賞版・読み切り掲載版)も読めます。

 

 ◆まとめ

 映画化もされた作品で、かなりのお気に入り。「うまいなぁ!」と思わず感動した技法もあり、ぐっと引き込まれた作品です。具体的にどこがうまいのか、をまた書きたいですね~。

 ファンブックを読んで知ったのですが、あくまで漫画は「将也目線」を意識して書いているそうで、そのために作中で描かれなかった出来事も多数。大今さんインタビューで新情報がたくさん出てきます。本編は読んだけど、公式ファンブックは未読という方には、是非とも読んでほしいです!